水道橋博士「すべてが見えている」と小説家としての又吉直樹を大絶賛
Q7.作家としての又吉さん、『火花』をどう評価しますか?
■自分で小説を、とは思わない。なぜならオレの人生そのものがフィクションのようなものだから。
オレは自分が小説を書きたいと思った事はないですね。なぜかっていうと、オレがたけしさんに弟子入りしたときから、オレの人生はフィクションなんですよ。もう小説の登場人物になっているんですよ。「オレ、今、ダンカンに殴られてる〜」っていうのも自分の中では現実感がないんですよ。小説みたいに見えちゃうんです。
芸人になる前は、ものすごく自分の中で“フィクション”が枯渇していたんです。日常が退屈だから、本の中に逃避してフィクションを味わってたんですけど、芸人になったら、「オレ、フランス座に住んでる」とか、フィクションなんですよ。だから、そっちに移行しちゃって、小説はあまり読まなくなっちゃいましたからね。
もし書くとすれば、モデル小説(実在の人物や題材を元にした小説)みたいなものしか書けないですよ。芸人としての生活が、“小説より奇なり”という状態なんです。
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